今日はCAのフライトってどんな種類、パターンがあるの?と言う疑問にお答えします。
会社によって違う面はありますが、だいたいこんな感じです。以下のフライトパターン、休息日の組み合わせで月のロースターが決まります。少しでも参考になれば幸いです。
別の記事「CAのお給料ってどうやって決まるの?」、もご興味あれば、合わせてご覧ください。
以下に説明していきます。
Layover(レイオーバー線)
レイオーバー、ステイフライトとは、片道オペレーションして、そこの国(都市)のホテルで一定時間ステイし、帰りの便で帰ってくるパターンのことです。これがいわゆるCAライフとして想定する典型的なパターンだと思います。
ステイ時間は、会社やその就航路線の頻度、ロースターによって変わりますが、一般的に24時間(1日)です。が、短いところだと、12時間、長くて数日滞在できることもあります。
例えば、24時間滞在だと、
- ドバイ〜ミュンヘン線(片道6時間)
- 〜24時間ステイ〜
- ミュンヘンードバイ線(片道5時間半)
- シンガポール〜羽田線(片道7時間)
- 〜24時間ステイ〜
- 羽田〜シンガポール線(片道7時間)
とかです。もちろんこの間に、観光とか美味しいものを食べにいけちゃいます。
ただ、会社によってステイが24時間ない時もあり。。。。例えば、
- ドーハ〜ミラノ(片道6時間)
- ミラノ17時間ステイ
- ミラノ〜ドーハ(片道5.5時間)
とかあります。最低12時間しかレストがないことも。。。。もちろん、レストが12時間〜17時間だとかだとか〜なり疲れます。
なぜこのようなロースターになるかと言うと、1日に複数便出ている場合は、若干ステイパターンを短くして、会社がお金を浮かせています。
基本的に航空会社は、航空法とその国(ベース)の労働局によって、クルーをどれくらい働かせていいかと言う法律に従って、ロースターやステイパターンを作成しなくてはいけません。
なのでいかに短くても、クルーが疲れていても、法律上可能ならステイが12時間でもいいのです。
個人的には、十分な休息には8時間未満のフライトで”個室”で最低24時間、それ以上だと最低48時間必要だと思いますがね。。。。会社的にはこうも言ってられません。。。
会社としては、ステイ時間を短くしたほうが、クルーにステイ代を払わなくていい&ホテル代も浮くので、効率がいいのです。
ただラッキーなパターンだと、例えば、
- ドバイ〜マラケシュ(モロッコ)(8時間)
- 〜マラケシュ72時間ステイ〜
- マラケシュ〜ドバイ(8時間)
みたいな感じで、一回で数日滞在でき、業務で行っているのですが、遊びに行っている感覚で観光できたりします。これは週に2、3便しか便がないと、次の便まで間が空くのでこう言うロースターになります。
またSQちゃんのヨーロッパ便なども、ほぼ毎日便が出ているにも関わらず、クルーは48時間現地で休息があります。これは会社がクルーのレストの必要性を考えて、このようなロースターにしているのです。
なので結構観光できますし、2日目に日帰りで郊外や近場の都市に遊びにいけちゃいます。なんて素晴らしい!
SQちゃんのロースターパターンは、国籍に制限はありますが、個人的にはかなりクルーフレンドリーだと思います。詳しくはSQの項目に書いております。
気になる会社があれば、そのステイパターンを調べてみてください。大きい人気会社だと、ネットでググれば比較的情報は手に入ります。
Turn Around (ターンアラウンド線)
ターンは、近場(主にマックス4、5時間)へのフライトで、ステイ先ホテルで滞在せずに、現地空港でそのまま飛行機内で待機(トランジット)して、帰りの便もオペレートしてベースに帰ってくる便です。結構疲れます。。。。
別名2セクター便とも言われます。
例えば、
シンガポール〜バンコク(2時間)
*機内泊、ならぬ、機内滞在(1時間かそれ強くらい、長いと2時間とかもあり)
バンコク〜シンガポール(2時間)
とかです。
ちなみに現地にホテルに泊まるわけではないので、ステイ代が出ません。お金の面でいえば、ターンよりレイオーバーの方が稼げます。
ステイ代が出ない分、会社によってはターン手当と言って、6000円くらい上乗せでお給料くれるところもあります。(例:SQちゃん等)
また、機内でもダラダラしているわけではないです。笑 早くついちゃったりすると、一息つけるときもありますが。。。笑
基本的に到着後、お客様の送迎をし、忘れ物チェックをした後、機内清掃が入り、その後また不審物がないかの確認をし、ボーディング(お客様の機内へのお迎え)となります。笑 いわゆるGround Dutyです。ちなみにこの間の賃金は発生しません。笑 CAの悲しい人生。。。
子供がいる方や、地元が好きな方はターンが好き、毎日家に帰りたい。と言う方も一部おられますが、やはりCAになった醍醐味は、海外に行って色々みて楽しむことだと思うので、レイオーバーの方が好きな方が多いですね。
一部SQちゃんとか、今はないですが元SQ傘下のタイガーエアとかは、Working mamaに対する配慮があり、申請して許可されると、「ロースターがターンだけになる→家に帰って子供のめんどうが見れる」システムがある(った)そう。このような体制を受け入れている会社は一定数あります。
色々書きましたが、要するにターンは、疲れるけど稼げないフライト、しかも現地ステイできずにベースに帰ってくる。と言う風に覚えていただければ幸いです。笑
ちなみに私もターンは嫌いです。笑
3セクター、4セクター(3レグ、4レグ)
これは、上記のターンの派生型と言う風に思っていただければ良いです。が、これが一番疲れて一番稼げないフライトといっても良いです。。。
また詳しく書きますが、CAのフライン時給はチャックアウトからチャックオンの間しか発生しないので、Ground Dutyはある意味タダ働きみたいなもんです。
なので、グランドデューティーが多ければ多いフライト・パターンほど、疲れる割りに稼げません。3レグというのは、便を3回、4レグというのは便4回を1日でこなすという意味です。ターンアラウンドフライトは2レグとも言えます。
もちろん離陸と着陸を繰り返すので、その間の地上での仕事もあり、かなり疲れます。分かりにくいと思うので例を出します。以下はスクートのパターンですが、
シンガポール〜ビエンチャン(ラオスの首都)
ビエンチャン〜ルアンパバーン(ラオスの別の都市)
ルアンパバーン〜シンガポール
みたいな感じで、3角形を描いで1日でベースに戻ってきます。(3レグ、セクター)
日系だと、国内線はこういうの普通らしいです。またベースに戻ってくるとも限らず、3セクター目でステイとからしいです。羽田〜大阪〜沖縄(沖縄ステイ)など。(←このパターンは適当に作っています。本当にあるかどうか分かりません、例えば、です)
余談ですが、日本ではあまり有名でないラオスのルアンパバーンでは、像乗りの資格がもらえます笑 ネタになります。笑 興味あればググってください。
またスクートの別の例になりますが、4セクター(レグ)とかの場合、
シンガポール〜バンコク(2時間)
バンコク〜シンガポール(2時間)
シンガポール〜バリ(2時間くらいだった気が)
バリ〜シンガポール(2時間くらいだった気が)
これを1日でこなすらしいです。めっちゃ疲れるやん!って感じです。
フライト時間は合計で8時間ですが、多分地上勤務も含めて実際の業務時間(Duty Hour)は12時間とか13時間くらいあるんでしょうね。5時間タダ働きです。。。。
Multi-Sector (マルチセクター便:レイーバーに限る)
マルチセクターのレイオーバーという意味です。
一言で言えば、5日とか1週間とかかけてベースを離れて複数都市を周遊ステイして、帰ってくるパターンです。例えば、SQちゃんだと、
SQ12(成田経由ロス行き)、SQ26(フランクフルト経由ニューヨーク行き)、SQ2(香港経由サンフランシスコ行き)
などが該当します。それぞれ一回1週間くらいの長期出張で、各都市で1日ないし2日のステイ時間があります。(パターンによる)1泊、2泊、2泊とかです。
またEKだと、
ドバイ〜シンガポール〜メルボルン〜シンガポール〜ドバイ(各都市1日ステイ)
ドバイ〜バリ〜オークランド〜バリ〜ドバイ(各都市1、2日ステイ)
など、のパターンがあるみたいです。(2017年情報)EKはSQよりもステイ時間は短めです。
この間毎日ステイ代、フライト時間給が発生します。長期で疲れますが、短期間でがっぽり集中的に稼げ、かついろんな都市を楽しめるフライト、という認識です。もちろん人気です。
ロースターに、こういうパターンが一個入るだけでその月は結構稼げたりします。
一部お子様がいらっしゃる家庭だと子供に長期間会えないからやだ。嫌いって言っている方もいます。笑
Shuttle (シャトル便)
これは、レーオーバー+ターンアラウンド便だと考えていただければ良いです。
ベースから、ある都市にステイして、そのステイ中に(次の日とか)そこからターン便往復をしてその都市に帰ってきます。
そして休息後(1日とか)またベースに帰ってきます。ターンなので、2都市目にはステイしません。機内待機です。
例えば、EKだとちょっと変形パターンですが、計11日パターンで
ドバイ〜バンコク〜シドニ〜シドニーからオークランドシャトル(シドニー〜オークランドの後すぐにオークランド〜シドニー便)〜シドニー〜バンコク〜ドバイ
QRは5日間くらいのパターンで
サンパウロ〜ブエノスアイレスシャトル(サンパウロブエノスアイレス間を往復)〜サンパウロ〜ドーハ
SQちゃんだと、これも複数日のパターンで
シンガポール〜メルボルン〜ウェリントンへの往復シャトル〜メルボルン〜シンガポール
シンガポール〜モスクワ〜ストックホルムへの往復シャトル〜モスクワ〜シンガポール
とかあるみたいです。
どうせなら全部レイオーバーにしてくれよ〜と思いますが、もちろん会社としては経費削減させたいのでターンでできるところはターンにします。笑
稼げるフライト順
じゃあ、上記全部比べて何が一番稼げるの?と言う疑問が当然起こりますよね?
パーディアムが国によって違うので、一概には言えない部分はあるのですが、ざっくり順位をつけますと。。。
だいたい予想つくと思いますが、一般的に拘束時間が多ければ多いほど、ステイ代手当とが出ます。
Multi-sector(1週間ほど)>シャトル便>レイオーバー(複数日ステイ)>レイーバー(1日ステイ)>4レグ=?ターンアラウンド
みたいな感じです。
OFF(オフ・休日)
いわゆる、完全なお休みです。
会社や国の航空法の制約にによりますが、最低でも月に8日とか9日とか最低限あるのが普通です。
運が良ければ、あるいは会社によっては15日間くらい(なんと月の半月!)もあったりします。
運が良ければ連続して4、5日ありますし、そうでなくとも1日とか2日とか単発で散らばっています。
フライトの間の休息は必須なので。4、5日あればフライト7時間以内の近場(?)、とかに遊びに言ったり、自分の国に帰ってる人が多いです。
自分の国がベースでない限り、やはり皆さんどこかに行きたがりますね。
中東ベースだとヨーロッパとか、他の中東諸国、シンガポールとか香港ベースだと東南アジアとか日本とかにぷらっと遊びに行けます。
ヨーロッパの会社とかは月にスケジュールが結構ゆるくて、3、4本くらいしかないので、オフがかなり多いと聞きます。
ごく稀に、会社がなんらかの理由でスタンバイクルーを使い尽くして、でもどうしても人が必要な際に、オフの日に稼働できないか連絡きたりもします。かなり稀ですが。
そのときは、もちろんオフなので、電話取れなくても、とったとしても気乗りのしないフライトであれば、断ってなんの問題もありません。
Rest(レスト):半分オフみたいなもん
これはですね、オフにかなり近いのですが。一応会社によってはレストというコードを使用しております。
フライトからギリギリ深夜をまたいで帰ってきた日、あるいは深夜、早朝フライトの前日はレストという名のオフ的なのがあります。
このあとフライトがあるので、あるいはこの日は深夜すぎに帰ってきたので、ゆっくり体休めてね。という感じです。
Standby(スタンバイ:いわゆる補欠)
一言で言うと、野球でいう、補欠、代打のようなものです。笑
急遽病欠の人に変わって、フライトをオペレートできるように、会社が一定数のクルーを毎日、毎時間補欠として確保しております。
飛行機には機材によって、乗務員の最低オペレート人数というのがあり、人が足りなくなるとその飛行機は安全上の理由で飛べません。
またフルサービスでは、規定より多い人数をサービス要員として載せていることが多いですが、これも欠けるとサービスに支障ができるので多めに乗せて飛んでいます。
あるいは、最近多いですが、もともとロースターされていたフライトが何らかの理由でキャンセルになったり、自分が持っていない機材のライセンスに変わってしまった場合、リムーブされてかわりにスタンバイ入れられたりします。
この場合は、しょうがないです。。。笑 呼ばれてどこかに行けることを祈りましょう。
いずれにせよ、補欠要員、かけた欠員を埋めるためのdutyで、呼ばれるか呼ばれないかは運次第です。笑 また、数日前にduty changeになることもままあります。
会社によってはスタンバイ業務にお金が払われるとこと、ただのところがあります。
自宅スタンバイ
文字通り自宅でスタンバイします。
呼ばれればメイクをしてウーバーか、会社の配給車で空港に向かい、ブリーフィングに参加します。たまに時間なくて機材に直行というときもあります。笑
正確には自宅でなくてもいいのですが、すぐに出勤できる範囲内での行動が必要です。
呼び出しは電話でかかってくるので、携帯を常備しておきます。トイレとかシャワーで出れなかった場合は、15分とかそれ以内にかけ直せば大丈夫です。(会社規定による)。
もし完全に出れなければ、やばいです!レポートされ、warning letterが届きます。重ねてするとクビです。。。
呼ばれなければ、結果的にはオフみたいな感じになりますが、一応業務なので最中は、いつでも出れるようにしとかなきゃいけません。
空港スタンバイ
空港の専用のラウンジなどで制服、フルメイクで出勤後、呼ばれるのを待ちます。
会社によると思いますが、待っている間、基本読書や携帯など自分のことをしていてオッケーです。ただ携帯は離さずに!
空港スタンバイがない会社もあります。
野球でも、代打の可能性のある人や代わりのピッチャーなどは、いつ変わってもいいように、グランドでちょっとウォーミングアップしていますよね?笑 そんなイメージです。
CAの場合、「ウォーイングアップ=メイクと必要書類の持参」みたいな感じです。笑
呼ばれなければ、メイクと空港まできた努力が無駄になりますが、まあそれはしょうがないです笑。そんなもんです。
ちなみにどこに呼ばれるかわかりませんので、スーツケースに冬服と夏服両方詰め込んでないといけません!笑 ある意味、一番面倒くさいパッキングを要する業務です。笑
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一口にCAのフライトやロースターは何種類もありますし、会社や国によってレギュレーションが様々です。
また、同じ会社でも曜日や季節によってステイパターンやレイオーバーの時間が変わってきたりします。
が、ざっくり言ってこんな感じです。
CAに興味ある方に、少しでも参考になりましたら幸いです。